8. シミュレーションについて

b-cap通信を使用したソフトウェアの動作確認をするために,実機へ接続することができます. シミュレーションを使用して,PC上のロボットコントローラシミュレータに接続し,通信確認をすることが可能です. このページではシミュレーションへb-cap通信を使用したアプリケーションでの接続のためのシミュレーション環境構築について説明します.

8.1. 必要なソフトウェア

  • (WINCAPSⅢ)

  • ORiN2 SDK (デンソー製品版 以上のライセンス)

  • VRC

※ 上記のソフトウェアは Windows のみ実行可能です. つまり,ロボットのシミュレーションをする場合, windows PCが必須になります.

8.2. 必要なライセンス

必要なライセンスは2パターンから選択できます。

  • WINCAPSⅢ + VRC Kernel

  • VRC Professional

次に、各パターンでどのようなソフトウェア構成になるかを説明します。

  1. WINCAPSⅢ + VRC Kernel

    WINCAPSⅢでロボットやロボットコントローラの状態を確認します. VRC Kernelでロボットやロボットコントローラの状況をエミュレーションします.

    @startuml
node "PC" as PC  {
    frame "VRC kernel" as VRC {
        component "b-cap Listener" as BcapListener
        component "Controller" as ctrl
        component "RobotMotion" as rob

        BcapListener -r- ctrl
        ctrl -do- rob

    }
    interface bcap
    frame "Your App" as App{
        component "bcap client" as bcapclient
    }
    frame "WINCPAS III" as wincaps

    bcap -- BcapListener
    bcapclient -- bcap
    VRC -- wincaps

    note top of wincaps: View
    note bottom of VRC: Calcrate and emuration
}

@enduml

  2. VRC Professional

    VRC Professionalを使用することでVRC TP + VRC Kernel でロボットやロボットコントローラの状態を確認します. VRC TP は PC上で仮想のTP(ティーチングペンダント)を表示するソフトウェアです. ロボットやロボットコントローラの状態を表示します. VRC Kernelでロボットやロボットコントローラの状況をエミュレーションします.

    @startuml
node "PC" as PC  {
    frame "VRC kernel" as VRC {
        component "b-cap Listener" as BcapListener
        component "Controller" as ctrl
        component "RobotMotion" as rob

        BcapListener -r- ctrl
        ctrl -do- rob

    }
    interface bcap
    frame "Your App" as App{
        component "bcap client" as bcapclient
    }
    frame "VRC TP" as VRCTP

    bcap -- BcapListener
    bcapclient -- bcap
    VRC -- VRCTP

    note top of VRCTP: View
    note bottom of VRC: Calcrate and emuration
}

@enduml

  3. windows 以外のOSのPCを使用する場合,

    ロボットシミュレーションソフトウェアはWindowsPCでのみ実行可能です. よって,Windows以外でb-capクライアントアプリケーションを構築,実行する場合, シミュレーションへ接続する場合,別のWindowsPCが必要になります.

    @startuml
node "PC" as PC  {
    frame "Your App" as App{
        component "bcap client" as bcapclient
    }
}
note left of PC: not windows os pc
interface bcap

node "windows PC" as winPC  {
    frame "VRC kernel" as VRC {
        component "b-cap Listener" as BcapListener
        component "Controller" as ctrl
        component "RobotMotion" as rob
        BcapListener -r- ctrl
        ctrl -do- rob
    }
    frame "VRC TP" as VRCTP

    note top of VRCTP: View
    note bottom of VRC: Calcrate and emuration
}
bcap -- BcapListener
bcapclient -- bcap
VRC -- VRCTP

@enduml

8.3. シミュレーション方法の差分

シミュレーション方法によって操作可能な範囲が異なります. 自作アプリケーションを接続する際に 使用する可能性の高い項目を抜粋して,操作可能かどうかの差分を下の表にしています.

項目

wincaps+VRC Kernel

VRC Pro

手動操作

[ ]

[✓]

プログラム起動

[✓]

[✓]

モータON

[✓]

[✓]

非常停止

[ ]

[✓]

モード切り替え

[ ]

[✓]

ロボットプロジェクトデータ新規作成

[✓]

[ ]

8.4. 準備

wincaps + VRC Kernel , VRC Professional で操作方法が異なります.

8.4.1. 共通の設定

VRCソフトウェアに同梱されているドキュメント, VRC_Users_Guide_ja.pdf ないの [3.4.2. ORiN2 インターフェイスを介した通信] の内容を実施します.

  1. bCapService で サービス として登録する.

  1. Windows のコマンドプロンプトを管理者権限で起動する

  2. sc.exe create bCapService binpath= “<パス>¥bCapService” を入力してサービス登録する

  1. bCapConfig でbCAP サービスの初期設定を行う.

  1. bCapConfig.exe を管理者権限で起動する

  2. [File]メニュー-[Import…]を選択し, rc8_bcap_cnf.xml を開く

  3. [File]メニュー-[Save]を実行する. ※bCAP サービスの初期設定は変更しない限り,再度実行する必要はありません

  1. bCapConfig でbCAP サービスの開始する.

  1. bCapConfig.exe を管理者権限で起動する

  2. [Action]メニュー-[Service Start]を実行する.この時, bCapService がbCAP サーバーとして起動される

ロボットシミュレーションにb-capで接続をする場合,必ず,b-cap Serviceが実行していないといけません.

8.4.2. wincaps + VRC Kernel

wincaps + VRC Kernelでシミュレーション環境を動作させる方法

  • bCapConfig でbCAP サービスの開始します

  • WINCAPSⅢで任意のプロジェクトデータを開きます。

  • WINCAPSⅢをシミュレーションモードへ移行します。

  • 作成したb-capクライアントアプリケーションを起動する. 接続,操作を開始します.

注釈

シミュレーションモードについて

必ずb-capクライアントアプリケーションを接続する前に必ず、シミュレーションモードにしてください。
順序が変わるとb-capクライアントアプリケーションから操作した情報がWINCPASⅢで表示されない場合があります。

8.4.3. VRC Professional

VRC Pro でシミュレーション環境を動作させる方法

ロボットプロジェクトデータ

VRCソフトウェアのインストーラの VRC_V****\SamplePrj 内にロボットのプロジェクトデータが格納されています. ロボットのプロジェクトデータがない場合,このプロジェクトデータを使用してください.

  • bCapConfig でbCAP サービスの開始します。

  • VRC TP を起動します. デフォルトパス C:\Program Files (x86)\DENSO ROBOTICS\VRC\TP\Bin\TP.exe

  • VRC TPが起動し,ロボットプロジェクトデータを入力する画面が表示される.

  • VRC TP画面でロボットプロジェクトデータ(例: VRC_V2200\SamplePrj\VS-050A3-A\VS-050A3-A.WPJ)を選択し,起動する.

  • VRC TP画面が立ち上がる

  • 作成したb-capクライアントアプリケーションを起動する. 接続,操作を開始します.